第9回群馬大学未来先端研究機構国際シンポジウムを開催しました
群馬大学未来先端研究機構では、2021年2月25日に、オンライン配信にて、第9回群馬大学未来先端研究機構国際シンポジウムを開催しました。
今回は、「Breakthroughs in Cancer Metabolism and Technological Perspectives (がん代謝研究とその技術的展望のブレイクスルー)」と題して、本学教員と海外ラボラトリーPIとの共同主催により、当該分野で活躍している国内外の研究者4名(ベルギー、フランス、日本)と、若手研究者育成の観点から本学博士課程学生1名が講演を行いました。
平塚浩士学長による開会挨拶の後、がん代謝国際学会の会長も務めたピエール ソンボ―博士 (ルーヴェン大学, ベルギー)によるミトコンドリア代謝を標的とするがん転移予防メカニズムに関する講演から本シンポジウムは開始されました。さらに難治性の脂肪肉腫の根絶を目指し腫瘍内のアミノ酸代謝をターゲットにする手法の開発、白血病幹細胞の制御?維持におけるアミノ酸代謝の重要性に関する新しい知見の紹介、代謝性疾患を検出?治療する機能をもつ細菌をバイオセンサーとして工学的な視点からプログラム化する診断/治療ツールの開発などについても興味深い講演が行われ、活発な討論が行われました。また当機構の海外ラボとの共同研究の成果として、がん代謝機構を標的とした肝臓癌の治療に利用可能な新規標的分子に関する発表を学生が行い、国際的ながん代謝研究の専門家からの評価ならびに今後の研究方針に関する示唆に富んだコメントを得ることができました。
各講演後の質疑応答では、分野を超えた研究者から多様な質疑が行われ活発な議論が交わされました。シンポジウムの締めとして、窪田健二機構長から全体の講評及び閉会挨拶があり、盛会の内に終了しました。今回はオンライン配信の時間帯を欧州に配慮して開催した結果、80名の参加者のうち半数以上がフランスやベルギー、イタリア等からの参加でした。このように多くの国の研究者と最新の研究成果を共有することが出来、非常に充実したシンポジウムとなったのは、オンライン配信の特性でもあり、国際交流という観点においても、参加の簡便性からグローバルスタンダートとなる可能性もあるように感じられました。
今回のような世界水準の研究者との交流を重ねることで、本機構の国際的な認知度を上げ、国際共同研究を一層推進し、研究拠点化を進め大学全体の国際化に寄与していく計画です。